coherent


低波数(テラヘルツ)ラマン分光法の活用

標準的なラマン分光法は、約200〜4,000cm-1の範囲の振動エネルギーを検出します。これは、分子の「フィンガープリント(指紋)」領域と呼ばれることが多く、ほとんどのC–CおよびC–X(X=H,N,O,S)等の振動が発生します。標準的なラマンスペクトルの情報は、分子を保持している結合の性質と、場合によっては隣接する分子間の相互作用を明らかにします。しかし、標準的なラマン分光法では多形の識別には不十分なケースがあります。一方で約5〜200cm-1の範囲は低波数(テラヘルツ)領域と呼ばれており、その領域に現れるスペクトルの強度は指紋領域のスペクトルの約3~5倍ともいわれています。この低波数(テラヘルツ)領域を測定することにより、指紋領域の測定では分からなかったスペクトルの特徴が示されます。

指紋領域と低波数(テラヘルツ)領域
              指紋領域と低波数(テラヘルツ)領域


Coherent THz Spectroscopy System

Coherentが提供するSureBlock™シリーズのフィルターは、レイリー散乱の最大99.9999%をレーザーラインから5cm-1以内まで除去します。 この高効率のブロッキングフィルターの出現により、低波数(テラヘルツ)領域からの信号をキャプチャできるラマンシステムの構築が可能になりました。

Coherentが提供するSureBlock™シリーズ
Coherent THz Spectroscopy Systemはプローブ型、ベンチトップ型、顕微鏡型のいずれかの構成で提供されます。ベンチトップ型には、サンプル計測用のバイアルホルダも利用可能です。
ラマン分析

結晶多形の評価や分析の加速化、簡素化、信頼性向上により、低波数(テラヘルツ)ラマンは製薬業界にとって重要なツールになりつつあります。これにより医薬品開発においては製造工程を改善し歩留まりと安全性を高め、製造コストを削減することが可能となります。また他にもガン細胞の検出や、爆発物の痕跡の検出、法医学分野での活用、ポリマー等の分析など、このプラットフォームを利用した新しいアプリケーションが開発され、低波数(テラヘルツ)ラマンの分析技術の発展が見込まれます。


Coherent THz Spectroscopy Systemを使用した低波数(テラヘルツ)ラマン分析の事例

硫黄の相転移モニタリング

硫黄の相転移モニタリング
結晶(α相)からアモルファス(β相)、液体(λ相)への相転移に伴い、THzラマンピークがシフトして広がっていることが分かります。

カフェインと2-安息香酸の共結晶の分析

カフェインと2-安息香酸のTHzラマンスペクトル
カフェインと2-安息香酸のTHzラマンスペクトルです。共結晶が形成される際のラマンシフトが確認できます。

本システムはサンプル測定も承っております。御興味をお持ちのお客様はお問合せ下さい。


カタログ情報はこちらをご覧下さい。
THz-Raman Spectroscopy Probe

本システムはTriclinic Labsでも使用されております。
詳しくはこちらをご覧下さい。
Application of Low-Frequency (LF) Raman Spectroscopy to
an Isoenergetic Polymorph Study

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